【映画「永い言い訳」】日本映画が見つけた名脇役 ミュージシャン・竹原ピストル

Feb 28th, 2018  - by MusicNation公式アカウント

 今、日本映画界で注目を集めている1人のミュージシャンがいる。大ヒット上映中の映画「永い言い訳」(監督:西川美和)で本木雅弘との共演し、その飾らない朴訥とした演技で涙と称賛を呼んでいる、竹原ピストルだ。

 ◆ 遅咲き、不屈のミュージシャン・竹原ピストル

 大学ボクシング部の主将として、2度の全日本選手権出場経験を持つ竹原は、99年にフォークバンド野狐禅(やこぜん)を結成し、03年にメジャーデビュー。音楽界で注目をあつめるが、09年に解散。そこから1人、全国のライブハウスを周るソロ活動を5年間続け、14年に再挑戦をかけてメジャーの舞台に戻ってきた。

 竹原ピストルという名前にあまり馴染みのない人も、住友生命のCMにも器用されたこの曲には聞き覚えがあるのではないだろうか?

竹原ピストル「よー、そこの若いの」

 竹原ピストルの音楽の魅力はなんと言っても、飾らない等身大の心の叫びのような曲と歌声だろう。筆者も、竹原ピストルの歌には何度も身につまされ、叱られ、励まされた。僭越ながら、私にとって一番響く、苦しい時に必ず聞いてしまうのはこの曲だ。痛い、とてつもなく痛い。でも、また再生ボタンを押してしまう(笑)

竹原ピストル「お前、もういい大人だろ?」

 「売れたい」と長年渇望しながらも、頑固に自分の音楽スタイルを貫いて、今でも地方ライブハウスの「ドサ周り」を続けている、竹原ピストルの歌には、悩みも苦しみも喜びも、彼の全てが詰まっていると言えるのではないだろうか?


◆ 畑違いの名優、リリーフランキー、ピエール瀧、そして竹原ピストル

 昨年末頃から、ミュージシャンとして一躍脚光を浴び始めた竹原ピストルだが、その才能に目をつけているのは音楽業界ばかりではない。既に俳優としても「青春☆金属バット」(熊切和嘉 監督)、「さや侍」(松本人志 監督)などの映画に出演しているが、現在公開中の映画「永い言い訳」での名演には、映画業界からも称賛の嵐だ。

映画「永い言い訳」予告編

 バス事故で妻を亡くした売れっ子作家(本木雅弘)が、ひょんなことから、妻の親友で同じ事故の遺族であるトラック運転手(竹原ピストル)と残された子供たちの面倒をみ始める物語。

 竹原が演じるのは、華やかな世界を器用に生きる本木雅弘と対照的な、地味で粗野な世界に生きるトラック野郎の役だが、これが見事にハマっている。妻を亡くし、残された2人の子供を愛しながらも、上手く接することのできない不器用な父親役は、切なくて憎めなくて胸を打つ。と同時に、竹原ピストル以外にこの役は考えられない。竹原が演じる役は、この映画のもう1人の主役と言っても過言ではないほどのいぶし銀のような光彩を放っている。

 

 日本映画界は、これまでにもリリーフランキーやピエール瀧などの、演技畑以外から名優を見つけ出してきたが、竹原ピストルも彼らに勝るとも劣らない名脇役だ。ミュージシャンとしても、俳優としても、これからの竹原ピストルの活躍から目が離せない。


◇画像出典:映画「永い言い訳」公式HP http://nagai-iiwake.com

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